今回で5回目となる「海外子女の為の教育セミナー」を2011年11月20日日曜日に行いました。 今回は、4校の帰国生受入れ校の先生方にも参加して頂き、各テーマに沿った講演をしてもらいました。
帰国生受入校といっても、各校いろいろな教育方針をもっています。ホームページや、学校案内のパンフレットだけでは、わからないところを、直接現場の先生方の声を通して各学校の教育方針の違いなどを感じて頂けたらと思います。
オンラインスクール Best Seminar
帰国してから克服する事、大事な事 -友達、教師、家庭- 同志社国際中学、高等学校 |
同志社国際中学、高等学校は、学校全体からすると、3分2(中高あわせて約750人)が帰国生。 いろいろなことを、克服しなければならないが、できればソフトランデングさせてあげたい。 三つの観点で見てみたい。 ●友達:気持ちを理解してもらえるような友達がいることは、大切なこと。 理解してもらえる友人がいると、学校生活が安定したものになる。 ●教師:帰国生のことを理解し、帰国生教育の経験のあること。 ●家庭:帰国後は、お子様の様子をよく観察していてほしい。 海外にいる時は、御両親とお子様の関係が密だったと思う。 どこへ行くのも家族単位で行動していたと思うが、日本に帰ってくると、そのような関係が変わってくる。 お子様がサポートを必要としているのか、必要としていないのか、見極めてほしい。 |
|
グローバルな人材を育てるためには 洗足学園中学、高等学校 |
●20世紀型教育である、受動的な教育から我々が思う21世紀型教育、学際的な教育に変えていかなくてはならない。 例えば、米国のアイビーリーグに入学する為には、複眼的な視野が必要。 具体的には、①幅広い学問領域を学ぶ ②統合していく能力 ●洗足学園では、対話型の授業を重視する。例えば、数学の授業では、グループで話し、方程式を自分らみつけ、発表する。 私自身国語の教員だが、中1でルソーの社会契約論を用いて、「考えて、書き出して、発信していく」ような国語の授業を行っている。 ●毎年模擬国連にも、当校の生徒が参加している。 他の国の学生と、議論をしながら、自国に有利な交渉する事は、とてもよい経験だと考えている。 |
欧米の教育の良いところ かえつ有明中高等学校 |
欧米の教育で優れている事を、話してみたい。 ●Critical Thnkingを基礎にした教育が行われている。 欧米の幼稚園でよく行う「Show and Tell」というのも、その一つだと思う。物や、写真を見せて、それを、他の生徒に説明をする。 それが、少し進んでくると、それを文章化する授業や、Debateの授業に発展していく。 日本の子供たちは、選択問題には強いが、記述式は弱い。 Critical Thinkingを身につけてきた子供たちは、記述式に強くなる。 ●プロジェクトワークを大切にしている。 日本の場合、座学→ テスト 欧米の場合、座学→プロジェクトワーク、Essay → 発表 ●学校がオープンであること 各教科ごとの先生にも、相談、話しが聞ける。 かえつ有明中高等学校では、欧米で受けてきた教育を開花してもらうような、教育を目指している。 |
|
帰国生にとっての女子校とは 立教女学院中学、高等学校 |
●なぜ共学でなく女子校で学ぶのか? ①勉強のつまずきは男女で異なったポイントであることが多いので、適切な指導ができる。女子の苦手な空間(ペクトル)等の授業に時間をかけることができる。 また、男子は適度な競争をさせることで伸びるが、女子はむしろ協力やグループワーク等から学べることができるようだ ②女子特有の成長(内面にこもる。悩む。トラブル。グループになる。孤立。)の中で、友人と心底話し合いコミュニケーション力を付けて行くことができる。 こういう経験をしっかり積み、きちんとコミュニケーション力をつけることができれば、将来男女や年齢に関係なくきちんとしたコミュニケーションができるようになる。 ③男女では精神年齢の違い、成長のスーピードの違いがある為。(性教育等もきちんと指導できる) ●帰国子女に対して 帰国子女は、思春期特有の自立成長の過程で悩みや苦労+日本に慣れる(日本文化を理解しつつ自己主張の仕方を再考する等) といった問題もあるので、できるだけバックアップする体制で臨んでいる。 たとえば、スクールカウンセラーは2名体制で、生徒だけでなく保護者も利用できるようにしている。人気があり予約がいっぱいの状態。 帰国子女は、しっかりと自立して自分の意見を言える方が多い。 本年度の生徒会長(高校2年)、昨年度の副生徒会長も帰国子女であったし、教師や生徒達の信頼を強く受けている。 |
|
●帰国生の抱える悩みや、どのように対応して克服していったかなど、もっと知りたいです。また、家庭で可能な支援などのアドバイスを頂ければ、うれしいです。入学前にしておけば回避できそうな問題や、問題に直面してどのように克服したかなど、知りたいです。知ることで、日本の学校で失敗したときの対処法を調べたりして、親子して心の準備が多少できるのではないかと思いました。うちも女の子を持つ家庭なので、女の子同士の密な友達関係に上手馴染めるかが心配です。立教女子学院ではカウンセラーが対応して下さるというは、心強いです。女の子の友人関係は大変そうだと知りました。学校によって帰国生への対応が様々だということがよくわかりました。
●申し込んだのは2校だったが、結局4校ともお聞きしました。子供も一緒に時々聞いていました。それぞれ参考になることがあったが、例えば帰国子女が日本という未知の国に帰って学校生活を送り勉強することにつ現場のお話を聞かせてもらえるといいと思います。ありがとうございました。
●実際教育の現場に携わっておられる方からの現状は子供の進路の参考になりました。
<過去の教育セミナーレポート>
>第1回教育セミナーはこちら >第2回教育セミナーはこちら >第3回教育セミナーはこちら >第4回教育セミナーはこちら