講師会とは、講師が集まり、事例発表、研究テーマの説明、情報の共有化など、定期的に行っている勉強会です。
ここでは、講師会での議論の中で参考として頂けることを、抜粋してご紹介いたします。
テーマ:「日本語が苦手な生徒さんに、発話してもらうには」
1.毎授業最初に必ず行うことを決めておく。(パターンプラクテイスによる反復練習)
1)日付を言ってもらう。少しづつ天気や時間など、幅を広げていく。
2)同じパターン、同じ文型で発話できる事を毎回聞くようにする。
今日は何をしましたか?
シンプルな文型でいいので、組み合わせて少しづつ長く話してもらう。
日本語に自信がもてるようになる。
3)月ごとにテーマを決めて、そのテーマを使った文を話してもらう。その時に、実際に物を持ってきてもらうとよい。
2.文型練習で代入法を使うときは、身近なこと、興味のある事を題材にする。
ポケモンのWebページはかなり効果がある。
1)ポケモンのWebページを使って代入法を行う。
ママは、ピカチュウが好きです。家族にインタビューしてもらう。インタビューを基に同じ文型でセンテンスを作ってもらう。
2)水、電気等の語彙の習得にも使える。
3)カタカナを覚えるのでも、効果がある。
大事な事は、日本語の自信をつける事と、興味を持ってもらうこと。
2011年3月
テーマ:受験対策
<ラスト3ヶ月での受験対策>
1.この時点での正確な学力把握。何が抜けているか? 弱点は? レベルをあと何段階上げる必要があるか。
2.保護者の方との連携特に受験前は、親御さんとの連携が大事であり、週1回位の定期面談が必要。
1)直前対策として、増コマなど授業時間の調整を随時打合せる。
2)模擬テストの行うときの、答案用紙のデータ送付など、お願いする事が多い。
3)使用する教材の相談。
4)宿題、答え合わせ等、効率よく勉強を進めるため、授業以外にお願いする事も多い。 特に中学受験の場合、受験生本人と同じ位、親御さんの位置は大事。上記の具体的な対策もそうだが、一番大切なことは、お子さんに安心感を与える事。講師は、生徒さんとの相談もそうだが、親御さんとの相談も大事にしてほしい。
3.毎日1時間のくり返しドリル学習を大事に 漢字、計算、文章題については、毎日1ページから2ページ必ずやる勉強を大事にしてほしい。
4.模擬テスト受験前は、過去問も含めた模擬テスト形式によって、時間配分、問題なれを徹底的に行う。
5.即時解決特に数学(算数)については、なるべくリアルタイムでの解決が大事。自分でやっていた問題でわからなかったら、そのままにせず、付箋をはり、必ず講師に聞く。
基本的に自主勉強が大事である。思考を発達させる為には、1から10まで教えていたのでは、思考は発達しない。多くの場合は、勉強のやり方、受験対策のポイントがわからない生徒さんが多い。点数をとる訓練として必要なことは、きちんと行う。
●テスト形式になれる。模擬試験を行いテスト形式になれる。
●算数の応用問題になれる。最低600問の応用問題をやって、問題のパターンを掴むことが大事。
●日本語での作文、英作文は、方向性があるので、専門の先生の指導をうけてほしい。
2010年12月
テーマ:日本語を教えるにあたって
<事例発表>
1.生徒さんと同じ目線で:
生徒さんとは、なるべく人として近づき、生徒さんのことを良くしりたい。
教師と生徒という関係ではなく、日本語を教えてくれる友人として接することが、生徒との信頼関係に繋がるのではないかと思う。
2.生徒さんの発話を促す
せっかくのマンツーマンの授業なので、なるべく生徒さんに発話させる。一方的な講義ではつまらない。 特に、言語として臨界点に達している生徒さんは、先生に話したいことがたくさんある。
一週間分の言いたいことを溜めて授業に来る。工作を見せてくれたり、練習したビアノの曲を聞かせてくれたりする。テキストにあった言葉を使って、どんどん連想を膨らましてフリートークをしていく。
生徒さんがいいたことは、いつまでも聞いていたいけど、テキストに戻る必要がある。そこが難しい。
3.実生活で日本語を使わない生徒にとっては、日本語を学習する動機が希薄になることもある。今、なぜこれを学習しているのか、過去に学習したことが、今習っていることと、どう繋がっているのか、常に意識させる必要がある。
4.今週の進歩を必ず見つけて、生徒本人に気づかせる。先週できなかったことあ、今週はどうできるようになったか。時に、半年前にやった課題を、復習してみて、成長を気づかせ、確認することも生徒さんのモチベーションアップに繋がる。
5.文型的に抜けている文型がないかを、確認する必要がある。
継承語として日本語を習得した場合、限定された人からの言語習得をする為、文型的に抜けている場合がある。
その場合、文型指導も行う。
2010年10月
テーマ:帰国生受入れ校について
帰国生受入校と言ってもいろいろな学校がある。
大きく分けると、次の3通りではないか。
1)入学後、補習や取り出し授業を行い、帰国生に対して手厚い学校。
2)いわゆる進学校で、補習に力を入れないが、帰国生の特質を延ばし、有名私立国立への進学がうまい学校。
3)入学後、何の補習もなく、単に受験を容易にして帰国生の入学をしやすくしている受け入れする学校。
Best Seminarとしては、受験相談をする上で、帰国生に対して本質的によい学校、お子様にあった学校を推薦、相談していきたい。
その為に、直接受入校の先生方とお会いして、考え方や、帰国生の状況等を聞く必要がある。
実際お会いすると、どれだけ真剣に帰国生と向き合っているか、よくわかる。
だいたい、本当に力を入れている学校は、「名物先生」的な人がいて、帰国生教育について自分なりのポリシーを持っている。また、現地校の事もよくわかっている。
ただ、受験の段階では、保護者の方も、入学してからのケアよりも、大学進学や学校名を重視する場合も多い。
自分で直接話した感じや、学校の雰囲気を話しながら、その子、その子に合った学校を相談にのることが大事。
また、一年1回づつやっている、当社主催の「海外子女教育セミナー」は、受入校の先生と保護者の方が直接議論できる貴重な場でもある。コストはかかるが、今後も続けていきたい。
http://www.best-semi.com/school/report4.html
2010年8月
テーマ:日本語ゼロからの日本語指導
事例発表<矢竹先生>:
ほぼゼロから始めたお子さんで、現在5ヶ月くらいだが、ほぼ先生の言っていることは、
理解し、授業でのコミュニケーションは日本語で十分とれる。日本語でのコミュニケー
ション能力は、大人になってから日本語を勉強しはじめた人より早いと思う。
①お子さんは、授業中は英語を話さない。
②定着をする為に、授業外での学習が大事。
1)宿題による反復練習
工夫をする事により効果がでる
●授業でやったキーフレーズを使った、文を書いてもらう。
●出題するときに、画像をいれたものを課題にする。
りんご5こでいくらですか?
ノート3さつでいくらですか?
ノートの画像を使う。
必要であれば、なぞるだけにして、お子さんに書いてもらう。
2)家庭との連携が大事
●宿題の確認などを通して、日本語での親子の会話、または日本語についての会話を増やす。
●兄弟がいる場合、兄弟で習ったことを使ってもらう。
(実際に、小学生のご兄弟で習った日本語を使ってもらっている)
●ハワイなどで、日本語をお店で使える場合は、実際に使って体感してもらう。
3)授業で日本語をどう使わせるか
●授業中Yes/Noだけではなく、センテンスでしか答えられないような質問のしかたをする。
●単語を並べるだけでもいいから、日本語を使ったコミュニケーションの楽しさを知ってもらう。
うまく話せなくてもよい。まずは、使うこと。相手に自分の意思を日本語で伝えること。
それができると、日本語をコミュニケーションのツールとして、楽しさをわかってもらえる。
2010年6月
テーマ:算数について
1)州にもよるが、日本と比較すると、アメリカの算数の教育のレベルは低い。
特に計算力が劣っていると感じる。
2)よくある問題点は、公式があやふやに頭に入っている。
3)文章題では、算数、数学の特有の言い回しがある。
そんなに、パターンは多くないので、憶えてもらうことが大切。
4)計算をする癖をつける。
できれば、毎日1ページづつドリル学習してもらうと効果があがる。
ポイントとして、ページをとばさない。最初から最後まで行う。1ページのボリュームがそんなに多くないものを選ぶ。あまりページ数の多くないドリルを選ぶ。
5)算数と日常生活をもっとくっつけた指導をする。
生活の中で使っているものを関連させながら工夫しながら、指導をしていくと効果がある。
2010年4月
テーマ:小さいお子様への言語教育について
①小さい子供たちは、長い間の集中力を持続させる事は難しい。
10分から15分くらいで切り替えることが必要。
②生徒が聞いているだけではなく、アクションをしてもらう事、参加させることが大切。
リピートしてもらうこと。積極的に書いてもらうこと。
③事例:
(1)絵本を一緒につくる。
さるの絵本で、マンガのようにコマになっており、それを生徒と一緒に協同作業で絵本にしていく。
最初は、お猿さんの名前、どこにいくかなど。カラフルな絵を使う。
(2)5W1Hを入れた、ストーリーを作る。
生徒の主体を大切に、生徒に主体的に制作してもらう。
④小さいお子さんの場合、日本語学習を習慣化することが比較的容易である。この年代から日本語学習を習慣にしておくと、母語を保持する上で、非常に効果的である。年代が上がれば、上がるほど、日本語学習に対する反発もある。日本語学習が楽しく、「あたりまえのもの」と考えてもらえるようにする。
2010年3月
テーマ:子供たちの母語を保持し、言語力を発達させる
学習というより、脳の発達、活発化させるという視点で考えてみよう。
いやいややることは身につかない。特に小さいお子さんには、身につかない。
子供の脳が反応しないのである。
反対に興味のある事は、驚くべきスピードで吸収してくれる。
子供たちには、なんで勉強するのか、日本語の勉強をするのかという「理由づけ」が必要。
例えば、
●お母さん、お父さんにほめられる。(絶対にできないからと、怒ってはダメ)
●お母さんとは、常に日本語で話す。
●日本語に対する興味を喚起する。
●近くの目標を作り、自分の能力の変化を可視化できるようにする。
2010年1月
テーマ:一人ひとりに合わせた、家庭内でできる学習方法ワンポイントアドバイス
授業を行うのは、週1回~2回である。家庭と協力し、ご家庭との連携が必要になる。
適正な助言を専門家の立場で提案をする。
1.音読をお母さんに聞いてもらう。
1)一回音読したら音読カードにシールを張り、結果、成果が見えるようにしていく。
2)音読カードが一杯になったら、なにか景品を渡してもいいのでは。
2.漢字が難しくなってきたお子さんに
3年生と4年生が漢字のネックになる。 海外では、漢字が目に入る頻度が少ない為、自然に目にして憶えるということが難しい。
どう、生活や家庭の中に漢字を取り入れ、反駁練習ができるようにするか。
1)大きめのカードを作り、日常の中で、お母さんに子供にこれは何て読む?日常の中での漢字クイズを行う。←効果があった。
2)壁に漢字を張る。
3)漢字カードをカルタのようにして漢字ゲームを行う。←効果があがった。
ー机に向かわない学習ー
3.寝る前のお母さんからの読み聞かせ
大変だが、毎日続ければかなりの効果が望める。また、日本語での親子のコミュニケーションのよい機会にもなるので年少のお子さんには奨
励していきたい。
4.日記をつける。
だれかに見てもらうことが大事。誰かが見ること意識すると、書き方も変わってくる。
5.計算力のアップ
ドリル学習→ 毎日 1ページでいいので、ドリルを毎日行う。
日本の子供と比べると計算力が弱い傾向にある。そんなに難しい問題をやらなくてよいので、ドリル学習を奨励する。
6.数学:ノート指導を行う。
テキストに書き込むとか、テキストの余白を使って計算する生徒がいるが、ケアレスミスの原因になる。
テキストには書き込まない。 ノートに書くようにする。
ノートのスペースを広く取る。 行、列をあわせる。 計算式は間違っても、消さない。
また、途中式も見やすく書く。
ノート指導する事で、かなり算数は整理されるはず。
7.経過報告、成果報告をしっかり見えるかたちにして提示する。
2009年10月
国語力を身につけると共に、「日本」ということも知って欲しい。
テキストを進めるだけではなく、会話の中にでてきたことを発展させて「日本の社会」もわかってもらうような授業をめざしたい。
例えば、「この前の夏休みに、日本に帰国して熊本のおばあちゃんの家に行きました」、と生徒がいったら、そこから熊本から九州の地名に移り
日本全国の地名を白地図を使っておぼえた。
これは地理だけではなく、歴史でもそうだし、社会ニュースでも同じ事です。 確かにテキストを進めるのは遅くなるけど、生徒が体験したこと、話したことの中からトピックを取り上げて学習を進めていくことは、学習意欲を促すためには大事な事だと思う。
また、日本のことを深く知ることはその子、その子の自尊心の育成にもなります。 → アイデンテイテイの確立。
2009年7月
なんで日本語を学ぶか?やらされていると言語能力は伸びない。
①日本語を学ぶ理由付けが必要。
小さいお子さんの場合、理由付けが難しい。
例えば、One Person = One Language制を家庭内で実施するのが一番よい。
それにより、お子さんの中ルールとして、自然に日本語を話す理由付けとなる。
②やりたいと思ってもらえるような工夫。
好きなこと、興味のある事を結びつけながら、国語を行う。
例えば、ポケモンのキャラクターをつかって、カタカナを覚えるなど。
また、小さいお子さんの場合、4つぐらいのことを用意する。 そのうち、2つは興味が無い可能性もある。興味が無いことを行うと、お子さん
の言語としての興味を損なうことになる。
③やれることもやって、自信をつけながら進める。
自信をつけながら勉強を進めることは大切。
難しすぎることをやると、落ち込んでします。 少しだけ難しいことを行い、ちょっとづつ負荷を与えていく。
2009年 4月